TAスーパービジョンって何?

こんにちは。

タイトルに興味を持っていただきありがとうございます。

あまり知られていない言葉ですし、今はメジャーではないです。

何故なら、
タイトルにある「TAスーパービジョン」を教えられる人は、
国際TA協会(International Transactional Analysis Association)の
公認教授メンバーのみです。世界で300名はいるのかな?

私が持っている資格は、300名の中でも
教育分野の教授メンバーで、世界で現在40名はいないと思います。

日本では3名の内の一人です。
その内、積極的に講座開催等をしているのは私だけだと思います。

国際TA協会の規定でこの資格を持っている人は、
名前の後にTSTAって表示されることが多いです。
TSTAは、Teaching and Supervising Transactional Analysitの略です。

日本語にすると、教えることと、スーパービジョンをするTA有資格者という
タイトル(名称)となります。

私はその中でも、Edu.= Education,つまり教育分野のTSTAということです。
国際TA協会が認定する「教育分野」のTAを教えるそして、
スーパービジョンをする(教える)有資格者を表します。

 

「私はTAを広めたい」

TSTAになるまで、結構な量の学びと経験を重ねてきました。

でも、あきらめずに口答試験で「Passed(合格)」という結果を

手に入れるまでモチベーションを維持できたのは、・・・・

「私はTAを広めたい」というたった9文字の短いフレーズでした。

 

TAと出会い、私がやりたいことが明瞭になり、
自分らしく生きるきっかけになったらからです。

そして、この短いフレーズは、
今も変わらず、
私の中でビビッド(vivid)に存在しています。

 

ということで、

人にお伝えするなら、きちんとお伝えしたいと思い、

国際TA協会(アメリカにあるTAの本団体)が認める講座を受講し、

国際TA協会公認の第一段階のCTA(Certified Transactional Analysit)に続き、

第二段階のTSTA(Teaching and Supervising Transactional Analysit)となった今、

国際TA協会が推奨する「教える(教育)」という概念や

「スーパービジョンをする」という言葉通りに、

一人でも多くの人たちにお伝えすると常々活動しています。

 

そして今、日本での国際TA協会公認の教育分野の有資格は徐々に増えています。

2022年4月現在で、国際TA協会の教育分野の有資格はリストは

こちらからご覧いただけます。

https://www.ta-education.jp/about-taei/

 

 

今回のテーマ: TAスーパービジョンって何?は、ここから始まります。

「TAスーパービジョン」との初めての出会い

国際TA協会が認定する資格を取得する手順の中に、

以下の要点が含まれています。

以前のブログでも書いたかもしれませんが、・・・・・・

① 600時間の研修
(うち300時間は国際 TA 協会の教授あるいは准教授からの講座)

② 150時間のスーパービジョン
(うち75時間はTA以外のスーパービジョンでも可。
ただし、残り75時間の内40時間は
プライマリースーパーバイザーからのスーパービジョン。
より多くの異なるスーパーバイザーからのスーパービジョンを受けることを推奨する)

③ 750時間の自身が選択した分野でクライアントに関わっている時間
(うち500時間はTAに関連していること)

④ 500時間の自身が選んだ分野の専門性を高めるための学習
(内容は、プライマリースーパーバイザーと相談)

合計2000時間(600+150+750+500)の必須時間が定められている。

それらすべての内容と時間数を
しっかりと記録を取っておくことが求められています。

今からお話しすることは、

②に書いてあるスーパービジョン初体験のときのこと。

私がCTAの資格を取るとき(ほぼ30年ほど前)
スーパービジョンという言葉も聞いたことがなく、
最初は、新しいことを教えてもらえるんだ、という
今までと同じ受け身の「学び」を当たり前のように期待していました。

当時、2ヶ月から3ヶ月に一度アメリカから私たちの
プライマリースーパーバイザーが来阪し、
2日ないし3日のセッションを行ってくださっていました。

そして、最終日には「また次の機会に会いましょう」というスタイルで、
私達はCTA資格を取得するための準備を進めていました。

TAの入門コースであるTA101を終え、
およそ1年から1年半の間、基本的なTA理論を学んだ後、
私たちのプライマリースーパーバイザーが、

「次回からはスーパービジョンを主体に進めていきます。
皆さんが聞きたいことあるいは、疑問に思っていること、
解決したい課題などがあれば準備してきてください」
と言い残し、アメリカに戻っていかれました。

そして、数か月後プライマリースーパーバイザーが来阪され
セッションが始まりました・・・・忘れもしません・・・・

いつものようにグループが集まり
私たちほぼ全員が
『何を教えてくれるんだろう』という期待いっぱいで始まったセッション、
私たちのプライマリースーパーバイザーが、
不思議そうな顔をしながら
「皆さんからの質問や、今回のセッションで手に入れたいことをお聞きしたいです」と
穏やかに話されました。

グループ全体がざわざわしたのを体感覚として覚えています。
えっ!? 私達から???

グループの中の一人が、おもむろにノートを出してきて、
「僕は〇〇の理論をもう一度説明を聞きたいです」
と言いながらいくつかのTA理論を並べました。

あっ、この彼も「スーパービジョン」のことが分かっていたわけではないのです。
彼はただ、なんでもきちんとちゃんと知りたい人だったのです(^^

プライマリースーパーバイザーが、
他の人はどんな課題がありますかとまた尋ねてくださいました。
私たちの多くは、
「私もその理論のことを聞きたいです。」を繰り返すだけ。。。。

スーパーバイザーはひとつひとつ丁寧に私たちに理論を伝えてくれました(復習)。
そして、そこでの
グループ内でのディスカッションは今までにない学びとなったことは覚えています。

私たちは、グループ内でのディスカッションや
活用方法を確認したりと、
学びが深まる時間を持つことができました。

もちろん私たちはそれでとても満足していました。
スーパーバイザーは、私たち全員に対して
「皆さんが『スーパービジョン』がどういうものかを知らなかったことを
私が気づかなかったことがわかりました。ごめんなさい。」とおっしゃいました。

私たちはそれがどういう意味かもわからなかった。
きっと私たちの頭の上には沢山の????があったと思います。

当時は本当に
スーパービジョンという言葉も、意味も、内容も、価値も
何も知らなかったのです。

そして今私は、
国際 TA 協会が定めるTeachingとSupervisingを教えることができる公認のトレーナーとして、
Teaching and Supervising Transactional Analyst(TSTA)として、活動しています。

TSTAに合格するまでの間、何百時間というスーパービジョンを体験し、
そして今も定期的にスーパービジョンを受け続けているほど、
私の中ではスーパービジョンは人と接する中で、
自分を振り返り、自分が成長し、
それを社会に還元するためにとても重要な学びの場となっています。

 

スーパービジョンって何なのってお話に戻ります。

私たちは日常色々な人達と出会い、様々なやりとりをし、

仕事をしたり、生活をしたり、楽しいひと時を過ごしたりしています。

そんな折々に、

  • どうして話が通じないんだろう?
  • うまくいかないのかなぁ?
  • なぜ伝わらないんだろうか?
  • これ以外にどんな方法があるんだろう、あの人と上手くいくには?
  • このやり方合ってますよね?
  • モヤモヤしてるんですけど、何が原因かわかりません。
  • あの場、あの人の前に行くと自分が委縮する。どうにかならないのかな?

ほか、いろいろ・・・

 

そんな????な時や、

モヤモヤしている時、

誰かに相談すると、あるいは

相談された時に、

どうしても、

じゃあこうすれば?

ああすれば?

あなたがこんなことしたんじゃない?

そのやり方(伝え方)間違ってる!

てなアドバイスとか、指導、最悪の事態は叱責をを受けたり、

感謝されると思っていたのに、反対に嫌われたり、・・・ 。

 

相互が嫌な気持ちになったり、

問題はまったく解決しないどころか、

繰り返されるような経験をしたことがありませんか?

 

スーパービジョンは、

現場で起こっている時のその時のやり方にフォーカスするのではなく、

その場面での考え方や気持ちと言った

当事者の「あり方」にフォーカスします。

誰かとのやりとりのその一瞬の

自分の心の動きを、

スーパーバイザーの適切なかかわり方や的確な質問で、

問題を抱えている人が自分で考えはじめるきっかけを生むセッションなのです。

 

結果、問題を抱えていた人(スーパーバイジー)は、

えっ!

私ってそんなこと考えてたんだ。

私こんな気持ちで相手に接していました。

私は自分を(相手を)こんな風に決めつけて接していました。

などなど、

今までとは異なる視点で自分自身を認識し始めることが可能になります。

今までとは異なる新しい視点を持って相手や出来事を見ることで、

硬直してしまいうまくいかなかった関係性や、

不自然な状況から脱出する自分なりの新しい施策が見え始め、

問題解決へとつながるのです。

 

スーパービジョンは、自分自身が知らず知らずのうちに

目の前の人との関係性の中に、自分自身の個性が割り込み

うまくいかなくなる状況を自分自身がつくりだしていることに気づく

生涯続く学びの旅(ジャーニー)なのです。

 

あるスーパービジョン後の振り返りです

例1)

「自分の考えた通りにしていいよ」と

相手を尊重しようと思って言っていた言葉が、

相手には「関心を持ってもらっていない」とか

「期待されてないんだ」というように取られていたんですね。

明日、彼に一緒に考えようって言ってみます。

 

例2)

自分では一生懸命関わっているんだけれども、

一向に理解してもらっていない感じがしていました。

一生懸命相手のことを思っていろいろ提案していたことは、

私自身が本当にしたいことではなかった、よそからの受け売りであったことが分かった。

だから相手に伝わらなかったんですね。

自分の考えや思いを伝えてみます。

 

TAスーパーバイザーになるには

相談者(スーパーバイジー)の内面の声を聞くきっかけを提供することが

スーパーバイザーの役割です。

 

そのやり方には、わかりやすい法則・考え方があります。

法則を知った後は、

実践あるのみで、スーパービジョン・スキルはどんどん上がります

 

それらを明瞭にお伝えしているのが、

私の翻訳本で「よりよいスーパーバイザーになるための手引き」

(原書:Supervision for coaches, a guide to thoughtful work)です。

ご購入はこちらから、 https://amzn.to/3OFoj3P

 

その中身をお伝えし、ロールプレイングで経験を積むコースが、

「TAスーパーバイザー養成コース」です。

 

参加後の感想はこちらからご確認可能です。

スーパービジョン|TA教育コンサルタンシー |
taedconさんのブログテーマ、「スーパービジョン」の記事一覧ページです。

 

 

スーパービジョン養成コースは、5月7日スタートです。

詳しい内容はこちら、https://www.taedcon.com/4

お申し込みはこちらから、https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=bmskIRnMk

 

 

スーパービジョンは、新しい自分が育つセッションだ!

 

おまけ:

私が監修した「教育分野のTA」がアマゾンで購入可能になりました。
https://amzn.to/38ySlpb

この本は、世界の教育分野の実践家や研究者が実践内容を公開、解説したTAの包括的専門書です。
子ども達対象の教育現場、成人教育、各種研修、セラピーにおける教育的アプローチ、特別支援等が求められる現場ですぐに応用可能な実例が多く含まれています。
私も共著者の一人です。
実践されている内容が、教育理論で裏付けされる醍醐味も味わえるかもしれません。
また、お会いしましょう❣
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