インサイトファインダーとTA心理学との共通性。

インサイトファインダーという言葉を聞き、
説明を受けているうちに、この言葉にロックオン(lock on)されてしまった。

インサイトファインダーは、
メディアプラン手法のひとつで、
広告主(企業)のマーケティング上の課題を解決するための手段とあります。

つまり、私も個人事業主なので、
いかに ユーザーの心に届くキーワードを探し出し、
マーケティングの課題解決を図りたい!という思いで、
調べてみようと思ったのがきっかけで調べてみました。

インサイトファインダーという概念を活用することで、
商品は同じものであっても、広告主の今までとは異なる視点からのプレゼンテーションで、
受け手のユーザーは、ある意味マンネリ化された情報環境の中に
突然現れた新しい角度からの情報(プレゼンテーション)に驚き、
興味や好奇心がかきたてられる可能性がうまれる。
あるいは、今までとは全く異なるジャンルのユーザーへ届く可能性を秘める
プレゼンテーション内容となるかもしれない画期的な考え方だと理解しました。

私にとって、「インサイトファインダー」という
新しい単語は、「何のこと?」という疑問を解明したくワクワクする刺激でした。
知らないことを探求するってわくわくします。

確かに、広告主にとって今までのランディングページのテイストを
根本的に書き換えることになるというインサイトファインダーの概念は、
違った新しい視点でのマーケティング上の課題を解決する策として、
新しい視点の登場でした!

それと同時に、
私が専門とするTransactional Analysis :TA心理学の原点との共通性に気がついたからです。

そんなことを今日のブログの課題にテーマにしてみました

 

インサイトファインダーの言葉の意味を知る。

まずは、Insight :インサイトとは、
・内側に関連すること。
さらに、辞書を調べると、
・「見識」「洞察力」「見通し」といった意味の英語とあります
そして、
・物事{ものごと}の本質{ほんしつ}を見抜くこと・・・ここが重要!

 

次に、Finder:・ファインダー、
・見つける人[もの],発見者;拾得者
・クリエイティブな意味や解説、類語。

カメラのファインダーの役割として調べ見ると、
・撮影範囲や焦点を調節するために、カメラに取り付けられたのぞき窓。
・絞りやシャッタースピードなどの撮影情報の値が表示される窓。
つまり、一つの構図の中のどの部分にフォーカスするのか?
ピントを合わせるのか?
その結果、その被写体のある部分がフォーカスされ、
その写真を見る人への訴え方がまったく異なるという結果を生むということです。

例えば、

A)夏の空を背景にした紫陽花の写真
B)紫陽花の花粉を拡大した写真
C)紫陽花と人影の写真

これだけでも、写真を見る側が受ける印象・インパクトは
異なることがお分かりいただけると思います。

A)は、紫陽花の花を見に行くという「観光」が目当ての人達向けかも知れない
B)は、生物学、遺伝子学に興味のある人達やあるいは、
花粉の形を利用してデザインをしたい人たちの目を惹きつけるかも知れない。
C)は、その写真を撮った人の想い出が反映するかもしれないし、
見る側がもつ紫陽花や人との想い出が広がる時間を創りだすかもしれない。
などなど、

インサイトファインダー(Insight Finder)って、
目に見える、観察可能なもの・状況以外の
目に見えないものにフォーカスし、浮き彫りにして、
目に見えるものにしたり、言語化し、
新しいプレゼンテーションをすることのようです。

 

インサイトファインダーの本質を考える。

つまり、情報発信者(ユーザーに何かを伝えたい/インパクト与えたい人)の
今までの情報発信内容が、多くの場合、
情報発信者が大切にしている・常に意識している価値観だったり、
その商品のどこにも負けない優位な点やメリットを強調していることが多いと思います。

私もまさしくそうなのです。自分の商品の価値観や優位性を
テを変え、シナを変えて、でも同じ価値観や優位性を常に伝えています。

それは、それら情報を受けとる側にとっては、多くの場合
「またね・・・」「知っているよ、でもね~~」的反応もしくは、
同じような他の情報提供者と比べる傾向を生むことになります。

あるいは、社会の状況や価値観がどんどん変化する昨今、
今までの私が提供していた価値観や商品価値は、
時代遅れと漢字とられる可能性もあるわけです。

それら固定化された言葉や誘いに興味や関心をひかれる人達は、
ある種限られており、こちらも固定化している
・・・つまり購買マーケット拡大にはつながらないわけです。

違う言い方をすれば、
ある色の液体の中に、その色の濃淡や明暗、強弱のを加えても、
色の見え方が変わるぐらいで、あまり劇的な変化は生まれないという感じかな?
もちろん繊細な違いはあります!

でも、
そこに、全く異なる色、例えば補色を加えると一気に変化が起こります。
そして、二つの色が補い合って新しいインパクトを生み、
効果的で、鮮明且つ力強い印象を創りだします。

インサイトファインダー(Insight Finder)とは、
情報発信者が、
今までの発信していた情報にトコトン向き合い、
そ子に存在している本質を見抜くことから始まります。

自分自身や、自分自身の商品について、その本質を掘り起こすことです。

今まで握りしめていた自身の価値観や優位性を一旦手放し、
それよりさらに奥に潜んでいるオーセンティックな意義(心意)を見つけ出す。

同時に、情報を受信する側にとっては、
インサイトファインダーで、生まれた新しい情報(メッセージ)は、
情報受信者の中にも埋もれていた
その人自身の本質に白羽の矢が突きささるような衝撃を与え、
情報受信者の中で、何かが動き出すようなインパクトが生まれる体験を導きます。

情報発信者にとっては、
自分自身の仕事やミッションの本質を再度掘り下げ、見抜くことから始まり、
二度見するぐらいインパクトのある発見を探し出すことが、
インサイトファインダー(Insight Finder)の概念です。

 

インサイトファインダーを神田昌典氏も注目する。

経営コンサルタント、作家であり、日本で有名なマーケターである
神田昌典氏は、インサイトファインダーの概念を使って生み出す新しいコンセプトを
キラーコンセプトと命名、
これからの新たなマーケティングに必須の概念として提唱、重要視されています。

神田さんの凄いネーミングここでも光ります。

今回のインサイトファインダーもそうなのですが、
私は、何らかのマーケティング関連の検索を行うと
必ずと言っていいほど、
「神田昌典」氏がグーグル検索のトップページで表示されます。
私はそれに引っ張られるようにクリックしてしまい、
今までも多くの新しい視点、考え方、スキルを彼から学んでいます。

今回も彼のページを読み、わくわくとした感覚と
同時に、私の専門性とが重なり合い、
私の中でインスパイアしたわけです。

彼は、そこでこんな風に言っていました。

インサイトが起こると
一気に市場が広げられるだけでなく
独自のポジショニングを築くことが・・・・

彼からいつも新しい視点を学びます。

今までのマーケティングでは、
接触頻度が多いほど良い(ザイオンス効果)と言われてきていました。
とにかく、いつでもどこでも目につくように頻繁に情報(広告)を発信することで、
その対象商品に対して良い印象を持つようになり、
自分もその波に乗りたくなるような傾向を生む効果が推奨されてきました。

ひと昔前では、何度も何度も営業マンがやってきて、いろいろな情報を提供してくれたり、
本来の営業目的以外のことでも解決してくれるような体験をしていると
なんとなく次の新車購入の際は、無条件にこの人から買いましょう!的効果。ありましたよね。

でも、時代も変化しそのような営業マンからの情報提供や解決策は、
インターネット検索で解決したり、クラウドで調達できる時代になりました。

むしろ、インターネットを日々活用する人たちにとっては、
送られてくる情報を一瞬で振り分け、
「見る」「見ない」を選択することが重要になってきています。

私達が配信する大切なメールも、
そのように振り分けられている可能性もあると認識することから始まります。

今までと同じコンセプトでの目先の変化のプレゼンテーションの連続では、
飽きられる、拒む、無視という反応が生まれる・・・私個人もそんな体験を持つので納得です。

頑張れば頑張るほど、嫌われる!というのは
男女のおつきあいに似ていることもあるかもしれません。
でもあるとき、今までと全く異なる表現方法での言葉一つで、
相手に変化が生まれる!!!・・・経験済みの方も多いのではないでしょうか?

インサイトとは、
「今の概念をくつがえし、顧客に自社以外の選択肢を忘れさせるほど
購買プロセスに決定的な影響力のある視点」をいう。
(「隠れたキーマンを探せ」神田昌典より)
と神田氏はインサイトの影響力を明言されています。

 

インサイトファインダーとTA心理学の共通性。

どこが、TA心理学と関係するのか?

まずは、TA心理学の背景から説明しますね。
TA心理学は、もともとTransactional Analysis :TAと呼ばれています。

私の日常の会話の中では、TAと言っていますが、
まったく初めての方には聞き取りにくいということもあって、
TA心理学とよぶこともあります。・・・TAは心理学の一つなのです。

創案者は、カナダ生まれ、後にアメリカ国籍をとったEric Berne(エリック・バーン)博士です。
彼が1964年に出版した、『Games People Play』という著書
アメリカとヨーロッパで、
当時500万部を超えるベストセラーとなり、
Transactional Analysis を世界に広めたきっかけとなりました。
(邦訳本:人生ゲーム入門 人間関係の心理学、河出書房新社)

初版以降2年間ベストセラーになり続けた理由は、
その本の内容が、
私達の日常の生活や職場で、たびたび起こる周囲の人達との不快なやりとり
図式化し、不快なやりとりを繰り広げる人達それぞれの内面で
何が起こっていたのかを言語化した書籍だったからなのです。

 

少しだけ、その書籍のご紹介です:
『Games People Play』(邦訳本:人生ゲーム入門 人間関係の心理学)は、
私達が日常繰り返す、嫌なやりとりを(心理的)ゲームと名付け、その背景に
私達の中で何か起こっていたのかを説明した書籍だったのです。

日常繰り返される嫌なやりとり(ゲーム)は、
親子間、夫婦間、職場の上司と部下、
教育現場の指導者と指導される者の間などで繰り広げられます。

毎日するゲーム、定期的に繰り広げられるゲーム、
季節や何か特別なイベントのときに行われるゲーム、などなど
このブログの読者の皆さんの中でも
思い当たることがある方がも多いかもしれません。

何故、ゲーム(Game)なのか?
その繰り返される嫌なやりとりは、ほぼいつもプレイヤーが決まっていて、
その上、どちらが先に言葉を発するかもほぼ決まっている。
まるで、野球やバスケットボールのゲームのように
先攻・後攻までもが決まっていて、最後は常に
どちらかが、勝ち誇ったり、悔しい想いになるからと・・・。

書籍中では複数のゲームが紹介され、人間関係に悩んでいる人たちが、
何故そのような悲惨なやりとりをし続けているのかの仕組みを知り、
自分自身の本来の気持ちに気づくことができ、
恐らく多くの人達の救いになったのが、ベストセラーとなった所以でしょう。

エリック・バーンも結構、斬新なネーミングをする人だったのです。

 

今も、セラピーやカウンセリング、
教育や企業での人間関係や、組織の不具合をTA理論を使って、
そこにある不具合の原因を視覚化・言語化することで問題解決に応用できる
優れた心理学として世界中で活用されています。

私は、バーン博士が設立した国際的組織の
ITAA(International Transactional Analysis Association)の
教育分野のトレーナー兼スーパーバイザーの有資格者です。

バーン博士は、普段の生活で私達が交わす会話の聞こえる部分は、
それらやりとりをしている人達の内面に存在する
本人は気づいていないオーセンティックな意義(心意)とは別のものである。
発している
言葉が、本人の心意と異なることがゆえに
人間関係がこじれている、うまくいかない原因になっているのだと指摘しています。

本当は「好き」なのに
その人の前では、余計なことを言ったり、茶化したり・・・
素直になれない自分があったこと・・・経験ありませんか?

でも、
本当に伝えたいことに気づき、自分でも驚き、そしてその言葉を素直に言えた時に、
本当のつながりが生まれたという経験をお持ちの方も多いと思います。

この今本当に伝えたいこと・・・ここが重要です。

心の中にある本当にしたいこと、
本来の気持ち、願い・・・普段の生活では気づかないままに過ぎてしまうことが多いようです。

TA心理学は、それら
「本来の自分」に気づき、「自分らしく生きる」ことを大切にするのに
とても役立つツールです。

人と人がつくりだすダイナミクスを言語化するツールがTA理論です。
今も世界で人間関係のギスギスを解決するために広く使われています。

TAでは、
自分の心意に気づき、表現することで目の前の人達とつながることができる。
親密になれる。OK-OKになれることを提唱しています。

ここからが、私が今日一番お伝えしたいことなのです。

 

インサイトファインダー=自分自身の仕事やミッションの本質
TA心理学=本来の自分自身に気づき、自分らしく生きる

そして、
目の前の人達と真の意味でつながり、よりよい社会にする。

 

インサイトファインダーと、TA心理学の共通性は、
自分自身を振り返り、掘り下げ、未来を創造する。

 

TAでは常に目に見えているもの、耳にする言葉だけに頼らずに、
人間関係がうまくいかない時は、常に
そこに関係している人たちの内面で何が起こっているのか、
その人たちの背景(生まれ育った土地や時代背景、家族構成など)を視野に入れ、
なぜ、その考え、行動、感情の表現になっているのか等を考えます。

本当は何を求めているのか、
何に(を)恐れているのか、
本当は何を伝えたいのか、知りたいのか、求めているのか、
どんな情報が基準になって今の発言や行動になっているのかなどを
数あるTA理論をツールとして、
それら複雑な人間関係の改善に役立てています。

 

インサイトファインダーという概念が
自分自身が大切にしている商品や価値観のさらに奥深い部分で
普段自分では気づいていない
大切なこと、
伝えたいこと、
実現したいこと、
などを表面化し、言語化する作業であれば、
目に見える表現の奥にある
本来の自分自身との出会いをサポートする
TA理論とは、相性がいいなぁ~~っと閃いたのです。

 

インサイトファインダーの理解を深めるために

私が開催しているTA講座いろいろ

・人の仕組みや働きをTA理論を通して、自分や他者を客観視するスキルを手に入れ、
日々の家庭や職場の人間関係の改善に役立てる。
自己理解や他者理解に役立つ2日間のTA入門コース:
TA101

国際TA協会(International Transactional Analysis Association:ITAA)
アメリカ、カルフォルニア州に本部があるNPO教育団体です。
ITAAの基準を満たしトレーニングを受けた人達だけが、
TA101と呼ばれるTA入門コースを実施することが可能です。

・職場の部下や専門家育成のプロセスで、目に見えている行動を指摘するのではなく、
うまくいかない場面でその人の内面で何が起こっているのかを
TAの理論や概念を活用し、問題・課題の解決を支援する:
TAスーパーバイザー養成コース

・TA理論には、TA組織論があり、組織を人格化し、
組織の問題点を図式化、言語化することで
健全な組織にするための修正、改善、再発防止に活用しています。
TA組織論ワークショップ

ほか、

講座案内:https://www.taedcon.com/

 

参考文献リスト

Berne, E. 1963, The Structure & Dynamics of Organizations & Groups, New York, Grove Press

Berne, E. 1964, Games People Play, The psychology of human relationships: New York: Grove Press

安部朋子、2008、ギスギスした人間関係をまーるくする心理学、エリック・バーンのTA、㈱西日本出版社

安部朋子、2014、エリック・バーンのTA組織論 リーダーを育てる心理学、㈱西日本出版社

安部朋子、2015、ギスギスした人間関係をまーるくする心理学2、エリック・バーンのTA 上級編、㈱西日本出版社

安部朋子、2018、邦訳本:よりよいスーパーバイザーになるための手引き、Suprevision for coaches A guide to thoughtful work, ㈱西日本出版社

 

 

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