ダイバーシティとインクルージョンとは?風の時代を生きる企業の取り組み

みなさま、こんにちは、あべともこです。

最近目にとまった「DEI」・・・何これ?ってところで、
今日はこの「DEI」に関して、お話します。

「DEI」とは、

D(Diversity):ダイバーシティ(多様性)
E(Equity)  :エクイティ(公平性)
I(Inculusion): インクルージョン(包括性)

ダイバーシティとインクルージョンを組み合わせた、
「ダイバーシティとインクルージョン」というのは、以前から人事の世界で
活用されてきました。

これからの時代、それに「エクイティ:公平性」を加えた「DEI」が
注目されてきているのです。

これらは、すでに始まっている
風の時代を生きる企業の取り組みに関連する
重要な3つの柱を指します。

ダイバーシティ(Diversity)とは

ダイバーシティ(Diversity)は、
多様性と訳され、最近よく耳にする言葉です。

「ダイバーシティ」とは、様々な場面での人の集まりで、
人種、宗教、性別、性的指向、年齢、身体的障害、学歴に始まり、
考え方ややり方、特技、スキルを含め、いろいろ視点に焦点が向けられ、
それを反倫理的な差別でも、特別視でもはなく、
個性、多様性として受容するという意味があります。
最近では日常的に使われ、耳にする言葉です。

エクイティ(Equity)とは

エクイティ(Equity)とは、
公平性という意味です。

よく混同されるのが「平等性」ということばです。
ある集まり(会社やグループ等)の全員を「平等」に扱うという場合、
全員を全く同じように扱うということになります。

エクイティの例

エクイティの例をあげてみましょう。

あるグループでの集まり時の「おやつ」についてです。
平等という視点でみると、
個数やお菓子をひとり一人、
同じものを全員に平等に配るということになります。

でも同じ場面で、「公平性」と言う視点で視ると、
地域や、文化、宗教、身体的な状況や年齢、嗜好などによる
違いを許容するという視点でおやつの中身を考える必要が求められます。

他のエクイティの例をあげると、
複数人で食事をしたときの割り勘*の考え方で、
「一律3,000円」とか、
「女性は2,000円、男性は3,000円」とかいう場面がありました。
が、
「は~い」という素直に受け入れるときもあれば、
「えぇ~、それって不公平!」って声もありましたね(^^

一件(?)公平そうでもあるのですが、実際は
・私、お酒飲んでな~~い。水しか飲んでな~~い!
・〇〇さん、飲みすぎ!(食べ過ぎ!)
・女、男でわけないでぇ~~!
なんて、不公平感の声が聞こえたことがありましたよね。
*割り勘の意味:「割前勘定」の略。
勘定を人数で割り、各自平等に支払うこと。
『ウィキペディア(Wikipedia)』から、

何が平等で、何がそうでないか?
その判断基準はそれぞれあります。

それは価格で決められるのか
大きさで決められるのか、他の基準なのか?
その時々によって判断する基準が異なり煩雑になる可能性を含みます。

「エクイティ」は、ある場での今まで普通に思っていた考え方や、
良かれと思っていた規則や制度、やり方が、
本当に公平だったのかということを考え直すきっかけになると思います。

もちろん、再考の結果「平等」の考え方、やり方で良かったとなる時もあるかもしれません。

エクイティの適用

職場の就業時間・拘束時間と言うことを考える際に、
一人一人のライフスタイルあるいは
家庭環境を絡めたその人に合った働き方や考え方を
考慮しはじめるというのも今の時代必要となってきました。

近年の在宅勤務という働き方が多くなった状況で、
上司は常に部下の仕事の進め方を管理しなければならないという
強い思い込みを強く持っていると、
オフィスにいる人たちと在宅で仕事をしている人達に対して、
同じ働き方(平等)を強いることなりかねるわけです。
これは現状ですでに問題として存在しています。

エクイティという視点から見ると、動き出すのではないでしょうか。

インクルージョンとは

インクルージョンとは、
包括性という意味です。

多様な従業員達それぞれがその職場で歓迎され、
受け入れられ、心理的に安心・安全感をもち、
組織やそのグループが自分自身の居場所として感じることで、
自分自身の意見やアイデア、気持ちを表現、スキルを発揮できるような
環境・やり方・考え方を意味します。

結果、多種多様な経験やスキル、知識、考えを持った人たちが集まり、
今までになかった新しい考え方やアイデア、
方向性が自由に表現され、受容され、
新しい未来が動き出す現場が生まれます。・・・・共同創造です。

私の専門であるTA心理学の講座開始時は、常に
「グランド・ルール」という有効且つ、効果的な安心と安全の場をつくるルールを
受講者全員にその意図と意味を丁寧に説明、
「同意」して頂くところからスタートします。

グランド・ルールとインクルージョン

限られた空間、時間内を安心・安全の場にするためのおススメルールが、グランド・ルールです。

積極参加:全員が積極的に参加する(リーダーもフォロアーも)

パスの権利:自身の発言内容は自分でコントロールできる権利

・相互尊重:まずは自分自身の考えや意見、気持ちを大切にする。他者のそれらも受容する。

・守秘義務:グループ内での出来事をうわさ話にしない。(ノー・ゴシップ)

これら4つは、その場にいる人達全員が「同意」することが望ましいです。

Jean Illsley Clarke, Who, Me Lead a Group?, Winston Press: Minnesota 1984

 

ダイバシティ アンド インクルージョン(Diversity & Inclusion)+エクイティ(Equity)=「DEI」へ

ダイバシティ アンド インクルージョン(Diversity & Inclusion)から「DEI」。
Diversity、Equity, & Inclusion,
素晴らしい取り組みの3つのアルファベット頭文字
「DEI」とは、こういう新しい考え方を示しています。

 

組織の変化(チェンジ)と変容(トランスフォーメーション)

組織も、個人も変化、変容を試みときには、
本来、自分たちは何をめざすのか!その確たる意思が求められます。

自分達の未来の姿!

個人、組織の変化・変容:
変容とは、小手先だけの変化をつけることではありません。
それは、芋虫がさなぎになり、そして蝶となるように
さなぎの中で芋虫が溶けて、
全く新しい形態になるプロセスを言います。
Giles Baorrw, Educactional Transactional Analysis, 2015

変容(transformation)で大切なのは、いったい自分は「何になる」のかという
明確な未来の姿が重要なのです。

それはその組織が生まれたとき存在していた輝く「本来の姿」であることが多い。

組織も、個人も変化・変容を試みときには、
本来、自分たちはどうなるのか!その確たる意思が求められます。

自分の未来の姿は何?

*****************************

心理学におけるダイバシティ アンド インクルージョン

これを書いているうちに、私の思考はどんどんどんどん発展していって、
こんなことも考えてしまいました。

それは、この「DEI」、
ダイバーシティ, エクイティ, アンド インクルージョン、の考え方が
着実に広まると、
一人の人が多くの異なる場面(会社)でその人が持つ個人のリソースを
スロット的に提供する契約をすることで、
自分が持つ、能力やリソースを
多岐にわたるフィールドでフルに発揮することが
可能になるではないでしょうか!?

また一方で、子育てあるいは、
新しい学びを深めるために、学校に戻り学びを深めたいとか、
家族の介護の時間を増やしたいと思う人達は、
組織やグループのある時間枠や場面に、
それぞれが持つ個人のリソース(知識や経験スキル)を集中的に提供し、
社会貢献と同時にある程度の収入源を確保するシステムも
確立するのではないかと思いました。

一人ひとりが持つ多様性が、公平に、まとまり、社会に貢献できる世界!=DEI

わくわくします。

「TA」人間関係の心理学から視る「ダイバシテイ, エクイティ アンド インクルージョン」

ここからはTA的視点です。

私は、国際TA協会(ITAA:http://itaaworld.org/)公認の
教育分野教授メンバーの国際資格を持ち、
一般社会人向けの講座を開催しています。
詳しくは、プロフィールをご参照ください。
TA心理学を教え(Teaching)、指導(Supervising)するプロフェッショナルです。

 

ダイバーシティの理解には、
私が講座等でよくお伝えしている
個人のリソース」の考え方、ワークが役立つと思います。

それは、TA概念で言うと「準拠枠」「脚本」がベースになっている考え方です。
準拠枠や脚本は私たちが産まれた直後から学び身につけた
自分ひとり一人にとっての大切な価値観であり、在り方です。

それらは自分にとって役に立つ場面も多いですがまた同時に、
自分の人生を制約する原因にもなります。
自身のそれらプラスもマイナスも含めたリソースを理解することで、
他者のプラスもマイナスも含めたリソースを理解することも容易になります。

エクイティの理解には、
自分や他者、同時に職場やその場・環境の背景(コンテキスト)を
理解するスキルが求められます。

判断基準が、ディスカウントの過度の一般化や過度の詳細化に陥らずに、
自分達(リーダーや責任者)が持つ考え方や制度、ルールが
従業員やその場の人達、周囲の人達にとって
理解、納得できるものなのか、
自分達が勝手に思い込んではいないか、
決めつけてはいないのかという視点で見るスキルが役立つと思います。
それらの偏った考えややり方を是正するのは、
両者間の真の意味でのダイアログが重要だと思います。

インクルージョンを理解するには、
これは、私が個人的にも大好きな「グランド・ルール」が役立ちます。
グランド・ルールとは、限られた時間や空間を
効果的、有効に活用するためのおススメルールです。
一緒に過ごす人たちと同意するルールです。

・積極的参加 (参加者全員が積極的にかかわる)
・パスの権利 (発言内容をコントロールできる権利)
・相互尊重
・守秘義務
そして、最近はもう一つ付け加えました。5つ目です。
・どんな質問も、意見もアイデアもOK。

このグランド・ルールに参加者全員が同意後生まれる安心感・安全感は、
それぞれにとっての「居場所」感を生み、その場にいる人達が、
自分の意見やアイデア、気持ちを表現できる空間を生み出します。

TA心理学は、さまざまな分野に影響を与えている

TAって凄いと思いませんか?

TAは応用は、臨床、カウンセリング、教育、組織の4分野で可能です。

私(あべともこ)は、教育分野の立場から、種々の目的を持った講座を開催しています。
詳しくは、本ホームページ「ワークショップ情報」をご覧ください。

TA教育コンサルタンシーの講座案内は、
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5月7日開講:
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では、また次回のブログにご期待ください。
あべともこ

 

 

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